山本真希さんのオルガンリサイタルシリーズ「グレンツィングオルガンの魅力 No.24 バッハ〈前編〉」に行ってきました。
オーバーホールを終えたりゅーとぴあコンサートホールのパイプオルガンの音色は艶やかさと透明感を取り戻したようで、これまで以上に気持ちよく音楽の世界に浸れました。真希さんが弾く駆け抜けるような旋律もより軽快に聴こえるようになったし、以前と同じパイプを使って弾いているとは思えないほど楽器の音色が変わっていて驚きました。
J.S.バッハ周辺のオルガン音楽の歴史を辿って当時活躍していた作曲家・演奏家の音楽を聴くと、いろいろな発見があります。個人的なおすすめは今回のプログラムにも入っていたブクステフーデ。ブクステフーデが滞在していたリューベックの街を出張で訪れたバッハが、そのオルガン演奏に強く魅了されたあまり無断で出張を延長したという逸話も好きです。
ただいろいろ聴き比べてみると、ハーモニーの厚みとかスケールの大きさでバッハの作品には圧倒的な説得力があるので、やはり別格なんだなという印象を受けます。即興でバリバリ演奏するバッハの姿は才気走っていて、さぞかしカッコ良かったことでしょう。
バッハ以外にも即興を取り入れた現代曲やスケールの大きなオルガン交響曲などオルガン音楽の聴きどころはたくさんあるので、まだ聴いたことのない方は大音量の生演奏をコンサートホールで一度体感してみることをおすすめします。